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バタフライナイフ

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2024/05/07 (Tue)

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2011/02/17 (Thu)

荒井孝

宇都宮美術館に でかけた。

はじめの展示室は コレクション展。
瀬本容子さんの作品が 寄贈されたとかで たくさんあった。
まだ チューブ入りの絵の具が売られていない時代
画家のひとたちは 自然のものから じぶんで色をつくりだしたのだという。
鮮やかな色彩で描かれた テンペラ画の数々。
金色が ぴかぴかしていて うつくしい。
額縁までも金色で いろいろに彫刻されていて 愉しい。

のこりふたつの展示室は 企画展 『荒井孝展』。
荒井孝さんは 足利うまれ 宇都宮そだち。
卒業制作から 最近の作品まで
半世紀にわたる画業 およそ100点が 展示されていた。
ベースは日本画なのだったが クレーやマグリットの影響を受けていたり
紙ひもを貼りつけてみたり 下地にアクリル絵の具を使ってみたり
独自の技法で淡い色彩を生みだしたり なかなかおもしろい。
題材も 日本の風景や花々だけには とどまらない。
旅をした 中南米やインドや中国なども 描かれている。
襖絵や 屏風絵などもあって おもしろかった。

たしか 『無情』 という作品だったとおもうが
おつきさまのあたりに うすぼんやり 胎児が描かれていた。
なるほど マグリットぽい。

『薄墨桜』と 『京都仁和寺 御室ノ桜』は 対照的な作品。
ともに 桜を描いた屏風なのだけれど
『薄墨桜』は 幹に焦点をおいて描かれている。
『京都仁和寺 御室ノ桜』 は 花に焦点をおいて描かれている。
わたしは 断然 『薄墨桜』が おきにいり。
桜の樹の どっしりとした幹のうつくしさには 心惹かれてしまう。

『風神雷神図(光琳模写)』の屏風は 微笑ましかった。
ほんものの風神雷神よりも まるみがあってかわいらしい。

展覧会のポスターになっている 『祈り』は ひときわすばらしかった。
塗りかさねられた あかい赤 その迫力 胸にせまるもの。

帰りがけに ミュージアムショップで
ポストカードを 2枚 買い求めた。
『祈り』 と 『春日の野辺に』。
『春日の野辺に』は 桜の花と 鹿が一匹 描かれている。

Takashi Arai Retrospective
Takashi Arai Retrospective
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2010/08/05 (Thu)

イノセンス―いのちに向き合うアート

県立美術館 『イノセンス―いのちに向き合うアート』 という展覧会。

ハンディキャップを抱えたひと 独学で絵を学んだひとの作品と
障がい者のアートに関わる作家さん 現代アートの作家さんたちの作品を
区別することなく ともに展示するという趣旨の 展覧会。

清野ミナは カラフルな 地図みたいな 作品。
坂上チユキは 緻密な ペイズリー模様みたいな 作品。

篠原佳尾の 『題名不詳』。
わたしには ちょうちょにみえた。

小原久美子は 模造紙を ちょうちょやとんぼのかたちに切って
色紙を モザイク模様みたいに 貼り付ける。
壁一面に たくさんちょうちょがいたので ちょうちょ好きおおよろこび。

秋山俊也は 電柱ばかり描く。
西沢彰は 飛行機ばかり描く。

舛次崇は 枯れた植木鉢ばかり 8年描きつづけたという。
大胆な 色づかい。アフリカぽい 色合い。

佐々木卓也は 造形作家。
独特のポーズの 女性像を中心に展示されていたのだが タイトルが謎。
『ピカソの女性(なつきちゃん)』 (ん? 日本人なの?)
『外国の女性(ゆみかちゃん)』 (んん? 日本人なの??)
『プードルの頭の女性(プードルとネコ)』 (もうなにがなにやら)

丸木位里のおかあさん 丸木スマは
70歳を過ぎてから 絵筆を握ったという。
丸木位里のいもうとさん 大道あやの作品と あわせて展示されていた。
丸木スマ 『簪』 大道あや 『しかけ花火』 は
屏風に描かれた作品で ならべて展示されていたのだったが
どちらも仔細に描かれた力作で たいへん見ごたえがあった。

草間彌生は 『愛はとこしえ』シリーズ50点のうち 34点が 展示されていた。
壁3面に ずらり34枚のパネルがならんでいて 圧巻だった。

この日 いっとうたのしみにしていたのは イケムラレイコ。
ブロンズ像の 『Figura m&m』 と 絵コンテみたいな 『島の女#1~#8』 は
期待していたかんじと ちがっていたけれど
油彩で描かれた 『M-scape』 は じつに見事だった。
暫く絵のまえに立ち尽くしたり なんども絵のまえにもどって観たりした。
もえるような 赤。くっきりはっきり赤いのに きえそうな おんなのこ。 

奈良美智は 紙に描かれた作品と 陶器の作品が あった。
紙に描かれた作品は らくがきみたいな 陶器の作品のイメージ図みたいなもの。
なにかのプリント(学校で配られるような 町内会でまわってくるような プリント)の
裏のしろいところに描かれていて 表の文字がちょっと透けてみえてるんだけど
額に入れられているので 表側は みえない。
なんのプリントなのだか じろじろ みてしまった。
陶器の作品は おおきいものも ちいさいものも あった。
おおきいものは まわりを ぐるぐる みてまわった。
『月頭巾』 は 裏側にも顔があって とってもキュート。
ちいさな作品の 『舌だし富士壷』 と 『十字架の山』 が かわゆかった。
『子ども店長』とか 『子ども山田くん』 とか ふざけたタイトルの作品もあった。

常設展は さらりと 鑑賞した。
見覚えのある作品が多かったけれど 長沢秀之の作品は はじめて観た。
あたたかい色の たくさんの点々が うつくしかった。
たしか 『皮膜6』 とかいうタイトルだったとおもう。

INNOCENCE - ART towards LIFE

2010/05/13 (Thu)

小倉遊亀

宇都宮美術館 『没後10年 小倉遊亀展』 という展覧会。
ふたつの展示室を 順繰りに 観た。

ひとつめの展示室は 人物画がメインだった。

『娘』という作品は 浴衣姿の気の強そうなおんなのひとが描かれていて
傍らに 壷が置いてあるテーブルがあるのだったが
そのテーブルに敷いてある しろいレースの敷物が
ひどくこまかく描かれていて 素晴らしかった。
『浴女その一』は ふたりのおんなのひとが入浴しているようすを描いたもの。
微妙な濃淡で描きだされた 浴槽の水面のようすが たいへん見事だった。
『径』という作品には 母親と こどもと いぬが 描かれている。
こどものかりあげ頭や いぬのくるんと丸まった尻尾が かわいらしい。
100歳を越えてから制作されたものも ちらほら あった。
『如来』とか『菩薩』とかの書や 好んで描かれた梅の花の絵。
梅は まいとし春がやってきたら いっとう先に描いたらしい。
105歳まで 絵筆を握っていたんですって!

ふたつめの展示室は 静物画がメインだった。

梅とか椿とか庭のさまざまなお花や お台所の果物や
おきにいりの古九谷などのうつわが 描かれていた。
生涯 2点しか描かれなかったという風景画のうちの 1点が出品されていた。
静物画のほうの展示室に それは 在った。
あおい壮大な富士山の麓に 牛さんたちが放牧されているようすを描いた
『青巒(せいらん)』 という作品。
そのほか 雑誌の表紙や 小説の挿絵なども 展示されていた。

髪の1本1本まで繊細に描かれているようす
身近なひとやものを題材にしているようす
歳をかさねても淡々と画業に取り組んでいたようす
小倉遊亀は すこぶる 好みの画家だった。

はてさて 帰りがけに ミュージアムショップで
気に入った絵のポストカードを 買い求める慣わしなのだったが
今回は たいへん 悩んだ。
いくつもあった 梅やらなんやらの お花の絵のポストカードは
どれもこれも素敵で どれを買ったらよいものやら こころが定まらず
結局 どれも 購入に至らなかった。
こころを鬼にして 2枚だけ 買い求めることにした。
『径』 と 『青巒(せいらん)』。
いぬの可愛らしさと 富士山と牛の描かれた絵の清々しさが
どうにも こころを 捉えたのだった。
とくべつに コットンバッグも 買い求めた。
『径』に描かれている ちゃいろい柴犬が プリントされている。

Ogura Yuki
joie de sens
Ogura YukiSingle Winged Angel Holding His Heart

2010/02/04 (Thu)

アニマルズin TOCHIGI

県立美術館に でかけた。
『魅力再発見!ニッポンの油絵』 『三沢厚彦 アニマルズin TOCHIGI』
ふたつの展覧会が ひらかれていた。

まずは 『魅力再発見!ニッポンの油絵』 という 展覧会。
靉嘔(あいおう)の 『レインボー・レインD』。
ながれる虹色の色彩がうつくしく  暫し足を止めた。
イケムラレイコの 『顔(夜景)』 『黒の中に青いミコと』。
すきな作品だので こころゆくまで 堪能した。

常設展も 鑑賞した。
ひさびさに訪れたので 展示されている作品も様変わりしていて
新鮮な心持ちで みてまわった。
殿敷侃(とのしきただし)さんの 作品が よかった。
しろいキャンバスが むらさきいろの数字で 埋めつくされている。
『三沢厚彦 アニマルズin TOCHIGI』の ライオンさんは
常設展のさいごのところに いた。

つづいて 『三沢厚彦 アニマルズin TOCHIGI』。
クスノキを彫ってつくられる 動物たち。
写実的なかんじではなく 作者のイメージに基づいて つくられている。
たいへんユーモラスで かわいらしいかたち。
ライオン・キリン・シロクマ・ユニコーン・シカ・トラ・ヒョウ・ウサギ・イヌ・ネコ・ムササビ・カエル・ワニ・フクロウ・ブタ・コウモリ・・・・・・・・
とりわけ ムササビの かわいらしさといったら!
うえのほうに ひっそり潜んでいる動物もいるので
注意深く さがしながら みてまわった。
展示は 展示室のなかだけに 留まらないのだった。
ライオンさんは 常設展のところにいたのだったし
屋外展示場にも 3匹いた。
1匹めのクマは すぐに見つかったのだったが
水辺の向こう側や 屋根のうえにも 目を凝らさなければならなかった。
集会室に 特設アトリエがつくられていて おおきなバクや
ちいさなキリンや こまごまとした彫刻が ならんでいた。
制作時に聴くのであろう CDやカセットテープも 展示されていた。
さらに 美術館のそとに おおきなプラタナスの樹があるのだけれど
その樹のところにも ムササビちゃんが!
美術館の受付から企画展まであるいていく通路に 1匹潜んでいたのには
さいしょ全く気づかずに 素通りしてしまった。
すべての鑑賞を終えて美術館を出たあと ふとパンフレットをみて
どうやら1匹見落としているらしいことに 気がついた。
もういちど 入り口からはいっていって 受付の前を顔パスで通り過ぎ
企画展の手前の壁に張りついているそいつを ちらり観せていただいた。
こんなところに いたなんて。
特設アトリエの ちいさなキリンは 記念撮影用で
カメラを向けてオッケーだったので すかさず ぱちり。

ライオンさんの ポストカードを 2枚買った。
横向きのものと 真正面を向いているもの。

Animals in TOCHIGIMe

2008/11/20 (Thu)

アンドリュー・ワイエス

渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム 
『アンドリュー・ワイエス 創造への道程(みち)』 という展覧会。

アンドリュー・ワイエスは いっとうすきな画家。
だのに いままでいちども ほんものの作品を 観たことが無かった。

習作と 完成した作品が ならべて展示されていた。
だんだんに 構図が決まっていくようす
じつに的確に 描くべき対象が絞られていくようす
真摯に絵に向かっているようすが よくわかった。

繊細かつ大胆な筆づかい 構図の素晴らしさ。

『火打ち石』という作品では 習作には描かれていたカモメが 完成作には居なかった。
『卵の計量器』という作品では 画面から人物が消えて 卵そのものが際立っていた。
なかなかおもしろく ふむふむ観てまわる。

有名な 『クリスティーナの世界』は 
習作ばかりで ほんものが展示されていなかった。

ヘルガのシリーズが とりわけだいすきなので
『ページボーイ』のほんものが観られて 感激だった。

じぶんのお姉さんを描いた 『私の姉』という作品は
紙に鉛筆で描いたもので 完成だった。
色彩など これ以上手を加える必要が 無かったのだという。
鉛筆だけで お姉さんの本質を 表せたのだそうだ。
たいへん緻密な鉛筆画は なるほど完成していた。

『雪まじりの風』という作品の横に書いてあったワイエスの言葉は メモしてきた。


『私は季節の中でも冬や秋が好きだ。 風景の中にある骨組みや孤独感、死に絶えたような雰囲気が感じられる。何かがその下に隠れていて、物語の全ては明らかにされていない。そんな気がするのだ』


ふたつのビデオが上映されていて ふたつとも観た。
ひとつは ワイエスの過ごした メイン州とペンシルヴェニア州を紹介するビデオ。
もうひとつは 今年の8月に撮影された ワイエスのインタビュー。
91歳のワイエスが 孫娘に インタビューされている。
6歳から絵を描きはじめて いまもなお 精力的に描きつづけているようす。
歳は関係無い 何かに刺激を受けたら すぐ行動を起こす というおはなしが よかった。

『すぐ 外に出て 行動だ 91歳だから出来ないなんて言ってられないよ』


ポストカードを 4枚買った。

★ 『早い雪』
★ 『粉挽き小屋』
★ 『昨夜』
★ 『三日月』



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渋谷駅では 岡本太郎さんの 『明日の神話』が 公開されたところだった。
お昼をいただいたカフェのかたすみに 岡本太郎さんのお人形があった。
手のかたちをした椅子も置いてあって 座って良いって書いてあったけれど
そこはかとなくおそろしくて 座ることは出来なかった。
展覧会を観おわった帰り道 渋谷駅へ。
『明日の神話』は たいへんおおきな絵で すごく迫力があった。
第五福竜丸らしき船が描かれているあたり 鯨のいるあたりが 気に入った。

東京まででかけたついでに 六本木を うろうろ。
宮島達男さんの 『カウンター・ヴォイド』を 観に行ったのだった。
けやき坂通りは クリスマスのイルミネーション まっさかり。
さまざまな速度で 点滅する数字たち。映りこむ イルミネーション。
8という数字がすきなので 8という数字が光ったときは ちょっとうれしい。

Taro Okamoto"Asu no Shinwa"
"Asu no Shinwa""Asu no Shinwa"
"Counter Void""Counter Void"
Roppongi Hills, Keyaki Street

2008/10/15 (Wed)

レオナール・フジタ

宇都宮美術館 『レオナール・フジタ展』を 観にいった。 
ついでに 『第2回・コレクション展』も 鑑賞した。

まずは 『第2回・コレクション展』。
展示替えされたようすで 8月に観たときと いささか違っていた。
野見山暁治 ジョルジュ・ビゴー シャガールあたりが 増えていたようにおもう。

つづいて 『レオナール・フジタ展』。
藤田嗣治の絵は たびたび目にしていて わりあい馴染み深い。
今回の展示は 幻の大作が日本初公開されていたりして
たいへん見応えのあるものだった。

独特の”乳白色”で描かれた はだかのおんなのひとたち。
やわらかそうな髪 滑らかな肌 うつくしい贅肉。
とりわけ うつくしい贅肉のようすに 見蕩れた。

毛の1本1本まで仔細に描かれ おもしろい表情を捉えられた猫の絵。

はだかの男女と動物たちが描かれている 幻の大作。
そのデッサンの数々。輪郭を 筆でぼかす手法が おもしろかった。

ちょっと悪そうな表情の こどもたちを描いた絵。

さいごの大仕事だった 教会建設。
ステンドグラス フレスコ画 こまかな装飾 風見鶏。
設計図 ちいさな模型 完成したようす。

年譜も 興味深かった。
たびたび愛するおんなのひとが変わって たびたび結婚していた。
さいしょの妻は 何年も日本に置き去りにされた後に離婚されていて ちょっと可哀想だった。
晩年には フランス国籍を取得して カトリックの洗礼を受けていた。
レオナール・フジタという あたらしい名前。

文章も いくつか展示されていた。
フランスの田舎で ひっそり暮らしはじめた頃に書かれた文章の
さいごの一節が こころに残った。


『世の中を棄てたのではない遠ざかつただけのことだ。』


晩年を過ごした フランスの田舎の 住居兼アトリエは
藤田嗣治が亡くなったのちも フランスのひとたちによって 大切に保存されていた。
亡くなったときのまま そっくりそのまま 残っているようだった。
フランスのひとたちにも 愛されているのだなあ。

ポストカードを いちまい買った。

★ 『花の洗礼』

Utsunomiya Museum of Art

2008/08/17 (Sun)

いわさきちひろ

宇都宮美術館 『わたしが選んだ いわさきちひろ展』 
『第2回・コレクション展』 ふたつの展示を 鑑賞した。

まずは 『第2回・コレクション展』。
シャガールの 『青い恋人たち』を じっくり観た。
展示室のかたすみに置いてあった 解説をいただいたら たいへん理解が深まった。

つづいて 『わたしが選んだ いわさきちひろ展』。
かわいらしくて あたたかくて やさしくて
生き生きとしていて つよくて 真摯。
蝶々が描かれている絵がたくさんあって うきうき観てまわった。
一般のひとや有名なひとが 絵に寄せたコメントも 興味深くみた。
アトリエとしてつかっていた 居間のようすが再現されていたり
お気に入りのチャイナドレスや時計や画具が飾られていたりした。
いわさきちひろさんの年譜には いささか衝撃を受けた。
『大人になること』 という文章が展示されていて さいごの一節が こころに残った。


『大人というものはどんなに苦労が多くても、自分のほうから人を愛していける人間になることなんだと思います。』


いつもは ポストカードしか買わないのだったが
『りんごと天使』 という絵が たいへん可愛らしかったので
ミニアートという しろいちいさい額を 買い求めた。

蝶々が描かれているものを中心に ポストカードを 5枚買った。

★ 『春の庭』
★ 『緑の幻想』
★ 『蝶と乳母車に乗ったあかちゃん』
★ 『おやゆび姫』
★ 『王子を想う人魚姫』

Utsunomiya Museum of Art
Chagall

2008/07/16 (Wed)

エミリー・ウングワレー

国立新美術館 『エミリー・ウングワレー展-アボリジニが生んだ天才画家-』 という展覧会。
ウングワレーさんは おばあさんになってから絵筆をとって 亡くなるまでの8年間のあいだに
3000点だか4000点だか たくさんの絵を描いた。
オーストラリアのまんなからへん 砂漠に座りこんで キャンバスを地面に置いて。
いろんな方向から描かれて 上も下も右も左も決まっていない絵。
塗りかさねられた絵の具の力強さに 目を見張る。
いのちの力に 満ちあふれている 作品の数々。
点描だったり 線画だったり 塗りたくられていたり。
動き出しそうな点々。たくましい線。鮮やかな色。
キャンバスの側面にも 点々が描かれていたり しましま模様が描かれていたり。
『ビッグ・ヤム・ドリーミング』 という絵のまえに立ったときは ぞわぞわした。
たて3メートルくらい よこ8メートルくらい とてもおおきなキャンバス。
黒く塗られているところに しろい線が 網目みたいに描きめぐらされている。
複雑に絡み合う しろい線。たった2日で描きあげたということに びっくりしてしまう。
ビデオルームで 『ビッグ・ヤム・ドリーミング』を描いているときのようすを みることが出来た。
なんの迷いも無く 素早く筆を運んで しろい線を張りめぐらしていくようす。
亡くなる2週間前まで絵を描いていて 3日間で24点もの絵を描きあげたそうだ。
絶筆となった 『私の故郷』 という絵には 犬の足あとらしきものが ぺたぺたついていた。
キャンバスを地面に置いて描いているから 犬が歩いたりもするのだった。
とても自由で とても素敵。
おおきなエネルギーを感じる 素晴らしい展覧会だった。

『何を描いているのですか?』 と訊かれたときの ウングワレーさんの答え めもめも。

『すべてのもの、そう、すべてのもの、私のドリーミング、ペンシル・ヤム、トゲトカゲ、草の種、ドリームタイムの子犬、エミュー、エミューが好んで食べる草、緑豆、ヤムイモの種、これが私の描くもの、すべてのもの』


ポストカードを 5枚買った。

★ 『エミューの女』
★ 『カーメ』
★ 『カーメ―夏のアウェリェⅠ』
★ 『ビッグ・ヤム・ドリーミング』
★ 『私の故郷』

Utopia: the Genius of Emily Kame KngwarreyeTHE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
THE NATIONAL ART CENTER, TOKYOTHE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
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