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バタフライナイフ

http://butterflyknife.blog.shinobi.jp/

2024/05/07 (Tue)

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2008/06/19 (Thu)

Twelve Travels

栃木県立美術館 『十二の旅:感性と経験のイギリス美術』 という展覧会。
22日に終わってしまうので いそいそでかけた。
イギリスの美術は 旅のなかで発展していったのだという視点のもとに
12組のイギリスの芸術家が 紹介されていた。
常設展や企画展でみたことのある作品も ちらほら。
見覚えのある作品を さらに深く知ることが出来る展示内容だった。

ダーツの旅で 世界のどこかにでかけてゆき
その地表のようすを 手作りで完璧に再現する作品は
ボイル・ファミリーという4人家族の作品なのだということを おぼえた。
(3年位前にも観たのだったが おなまえを憶えられなかったのだった)
地球の一部分を まるで切り取って持ってきてしまったかのような おもしろさ。

ヘンリー・ムーアの彫刻は むつかしかった。
タイトルに 人体 とか 糸つむぎ とか 書かれているのだったが
ちっとも人のかたちに見えないし どのあたりが糸つむぎなのかわからない。
彫刻のまわりを ぐるぐる ぐるぐる みてまわった。
いささか 目が回った。

アンソニー・グリーンというひとは キャンバスのかたちがおもしろいのだった。
三角だったり 複雑なかたちの多角形だったり いろいろだった。
しかくいキャンバスに描こうという気持ちは あんまりないみたい。
しかくいキャンバスに描かれた絵もあったけれど しかくいキャンバスにみえなかった。
魚眼レンズで覗いているみたいな 構図もおもしろいのだった。

デイヴィッド・ナッシュは 日光の山奥にやってきて
樹を組み立てて あれこれつくったひと。
『歩く梯子』 という作品が とりわけ素敵。

アンディー・ゴールズワージーを 堪能できたので よかった。
自然のものをつかって 自然のなかで制作する。
葉っぱや 枝や 石や 岩や 雪や 日の光が アートになる。
作品は やがて自然に還ってしまうので 写真に収められている。
早朝から作業をはじめて タイトルに『寒い』とか『眠い』とか 書いてあったりする。
葉っぱや石をこつこつ並べて うつくしいグラデーションをつくりだしてみたり。
葉っぱの葉脈だけ残してちぎってみたり 葉っぱを松の葉で縫い合わせてみたり。
川のなかの岩に 赤い葉っぱばかり貼り付けてみたり 黄色い葉っぱばかり貼り付けてみたり。
雪を固めたり削ったり 朝日を浴びて溶けるのを待ってみたり。
なんておもしろいんでしょう!

4月27日にリニューアルオープンしてから 初めての訪問だったのだが
常設展のほうには あたらしく マイセン磁器展示室という小部屋が出来ていた。
(以前 ひきだし式の版画の展示のあったあたりが すっかり変わっていた)
花や鳥で豪奢に飾りつけられたシャンデリアや
ちいさな花がたくさん貼り付けられている磁器などを
いつでもみることができる。たいへんうつくしくこまかくよくつくられている。

ミュージアムショップのおとなりのトイレが あたらしくなっていて
人が入ってゆくと電気が付くしくみになっていた。未来的だなあ。

美術館をたのしんだあとは おとなりの SAKURA CAFE AND KITCHENへ。
わたしのなかで 県立美術館とSAKURA CAFEは セットになっているのだった。

TOCHIGI PREFECTURAL MUSEUM OF FINE ARTSSAKURA CAFE AND KITCHEN
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2008/06/18 (Wed)

パスキン

宇都宮美術館に でかけた。
3つの展示室で それぞれべつの展示がおこなわれていた。
『第1回・コレクション展』
『無限への立ち位置―河口龍夫の1970年代展』
『パスキン、エコール・ド・パリの「リベルタン(自由人)」』
ぜんぶ観られるチケットが 600円とは お得なかんじだった。

まずは 『第1回・コレクション展』。
すっかりおなじみ マグリットの 『大家族』 『夢』
シャガール デュフィ カンディンスキー ロシアの広告ポスター などなど
さらりと みてまわった。

つぎに 『無限への立ち位置―河口龍夫の1970年代展』。
鉄 鉛 ブロンズ 紙 布 木 写真 電気 コード 水 ベル 蛍光灯
いろいろなものを用いてつくられた なかなか難解な 作品の数々。
原稿用紙数枚のマス目の 文字があるべきところに 煙草の焦げ跡のような
まるい穴が延々と連なっている作品が おもしろかった。
まいにち昼間の12時に かならず写真を撮るという試みのもとに成り立っている作品を
たいへん興味深く 眺めた。

さいごに 『パスキン、エコール・ド・パリの「リベルタン(自由人)」』。
入り口で 鉛筆を借りることが出来たので メモをとりながら 丹念に観た。
パスキンというひとについて 何も知らずに観にいったのだけれど 存外愉しめた。
遊び人だったようすや 旅行好きだったようすが 垣間見られた。
身近な光景や おんなのひとを 好んで描いたようだった。
とりわけ はだかのおんなのひとを描いた作品が 多かった。
なかには 排泄しているようすや 愛の行為の最中を描いたものまであった。
少女を描いたものは 服を着ていたので いささか安堵した。

絵の裏側も観られるように展示されている作品が ひそかにすきなのだった。
『みづくろいする女』 という絵には 妻エルミーヌの姿が描かれているのだったが
裏側は 『男たち(カフェの庭で)』 という絵だった。
『三人の女たち』 という絵の裏側は 『(腰掛ける女)』 という絵で
腰掛けているというよりは ほとんど寝そべっているようにみえる女が描かれていた。
絵の周りを くるくる観てまわるのが 愉しいのだった。

パスキンさんは 45歳のとき
アトリエの浴室で 手首を切って 亡くなったのだそうだ。

以下 解説に書かれていた パスキンさんの言葉など めもめも。


『主義、主義って、どうでもいいじゃないか。目の前にふるいつきたくなるようなモデルがいるってことが人生、つまり芸術そのものだろ。』

『人間は、とりわけ芸術家は、45歳以上生きていることはない。―もしも、それまでにベストをつくせなかったとしても、その後になって、名声を高める程のものをうみ出すということはないだろう』

『自由人(Homme libre) 見果てぬ夢と欲望の勇士は 血まみれの両手で黄金の扉を押さん (パスキンさんのお墓に刻まれている言葉)』 


ミュージアムショップで ポストカードを 2枚買った。

★ ジュル・パスキン 『花束を持つ少女』
★ ジュル・パスキン 『白いリボンの少女』

2007/05/27 (Sun)

新日曜美術館

新日曜美術館 『銅版に刻まれた生 伝説の版画家・菊池伶司』
という番組をみているあいだじゅう 鳥肌が止まらなかった。
菊池伶司さんは 21歳のときに銅版画を学び始めて 22歳のときに病気で亡くなるのだったが
1年半のあいだに 60点もの作品を 遺したのだという。
解剖図や標本のような作品。じぶんの手のかたちを写しとった作品。
読めそうで読めない 謎の文字が あちらこちらに書き込まれている作品。
命が刻み込まれている 作品の数々。
日記のなかに書かれていた 『人間が本当に生きているという確証はあるのだろうか』
というような言葉に どきりとした。

2007/03/15 (Thu)

愛のかけら

『宇都宮美術館開館10周年記念展 シャガール、その愛のかけら』 という展覧会。

シャガールという画家について じつは今まで あんまり興味が無かった。
幾度か目にする機会はあったのだけれど それほど心惹かれなかったのだった。
さまざまなモチーフがちりばめられた絵に 散漫な印象さえ持っていた。

受付で 宇都宮美術館のひとがイラストを描かれた 鑑賞ガイドをいただいた。
とてもユーモラスで とてもかわいらしい。

『パイプを持つ男』 という絵は 絵の裏側も観られるように展示されていた。
裏側には 『静物』 が描かれているのだった。
絵の周りを くるくる 観てまわった。

『青い恋人たち』 という絵は ひときわうつくしい絵だった。
その手前に 『青い恋人たち』 と まるでおなじ構図の絵があった。
おなじように 恋人たちと 月と 花が 描かれている。
『青い恋人たち』 よりも 幾分やわらかい色調。
いたく気に入ったのだったが なんというタイトルだったか 失念してしまった。

展示室のさいごには シャガールさんの手の写真があった。
たくさんの絵を生みだした しわしわの手。

解説を読みながら 丹念に観てまわった。
シャガールの絵のなかには 愛がちりばめられている
ということが わかった。

ミュージアムショップで ポストカードを 2枚買った。

★ 『緑、赤、青の恋人たち(街の上で)』
★ 『青い恋人たち』

Exhibition of Chagall (Chagall and Jewish Mysticism)

2007/02/08 (Thu)

しみずとし

県立美術館 『清水登之のすべて』 という展覧会。 
120点に及ぶ作品が 常設展2階のスペースまでつかって 展示されていた。
清水登之さんの作品ばかりでなく お友達や御家族の作品も ちらほら。
栃木県ゆかりの 馴染み深い画家なので いままで目にする機会も多かったのだけれど
たくさんの作品を いっぺんにみることが出来て よい展覧会だった。
時代ごとに ずいぶん雰囲気がちがうのだということが わかった。
シアトル時代の絵は ふだん見慣れている作品よりも ずっと写実的だった。
パリ時代の絵は ひときわ うつくしかった。
つやつやと なめらかに 塗りかさねられた絵の具のようすに 見蕩れた。
戦争時代の絵は 眺めていると ぞわぞわした。
こころに訴えかけてくる ちからづよいもの。

常設展示室では 『華麗なるマイセン磁器再び』 という特別展示をみることができた。 
以前鑑賞して 存外おもしろかったおぼえがあったので*1 なつかしく みてまわった。
ひどく緻密な昆虫の絵が描かれた皿 ちいさな花がたくさん貼り付けられている磁器。

*1 http://www33.ocn.ne.jp/~butterflyknife/diary/200502.htm
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