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バタフライナイフ

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2024/05/03 (Fri)

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2013/05/30 (Thu)

クリムト

宇都宮美術館 『生誕150周年 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語』 という展覧会。

初期のデッサンは じつに正確で とっても上手。
油彩画も おなじみの作風とはぜんぜんちがっている。
ひかりと 影の うつくしさ。
フェルメールみたいに 瞳のひかりやネックレスの輝きを しろい点々であらわしていた。

『哲学』『医学』『法学』は ウィーン大学大講堂の 天井画として描かれたもの。
ほんものは焼失していて 展示されていたのは 原寸大の おおきな写真パネル。
描かれた当時は センセーショナルな表現が受け入れられず 厳しい批判を浴びたのだという。
はだかのおんなのひとたち。こちらをみている目。胎児とか髑髏とか。
こまかいところまでうつくしく たいへん迫力があった。

『人生は戦いなり(黄金の騎士)』は 愛知県美術館が所蔵していて
展覧会のポスターにもつかわれている絵。いいタイトルだなあ。
金色 文様 花々 きらきら。
かたすみに 蛇がいる。邪悪な蛇。誘惑の蛇。

『アッター湖畔』という風景画は たいへん興味深かった。
おなじみの作風とは だいぶんちがっていて 大胆な筆づかい。
湖に焦点をあてた構図で 水面のさざなみのようすばかりが 丹念に描かれている。
厚紙でつくられた正方形の枠を 風景のまえにかざして モチーフを探したのだという。
だので クリムトの風景画は 基本的に正方形なんですって。

『ストックレー・フリーズ』は ストックレーさんの おうちのなか
食堂の壁に 描かれたもの。家具とともに展示されて おへやが再現されていた。
金色 ぐるぐる模様 かたく抱擁する男女 ちょうちょ。
『薔薇の茂み』という ちょうちょが描かれているあたり おきにいり。

日本初公開の 『赤子(揺りかご)』。
晩年に わずか1ヶ月というみじかい制作期間で 描かれたもの。
ベイビーに 見下ろされているかんじ。大胆な構図。
荒々しいちからづよい筆致の 躍動感。

金色や文様を多用するクリムトが 影響を受けた ジャポニズム。
日本のうつくしい金屏風や工芸品が あわせて展示されていて おもしろかった。
とりわけ 中形糸入型紙は こまかくよくつくられていて みとれちゃう。

∞ ∞ ∞

コレクション展も 堪能した。

袴田京太朗さんの『野蛮』と 松本哲男さんの『地から宙(グランドキャニオン)』が
ならべて展示されている空間は たいへん神秘的な空気を醸しだしていて
いつまでも其処でみていたいきもちだった。

袴田京太朗さんの『野蛮』は ファイバーグラスと布と木でつくられた
おおきな造形で しろい蓮の花のようにみえる。
はなびらのような内側に 木製のしろい円柱の部分がふたつあって それは棺桶らしい。
はなびらのようにみえるところは ちかづいてよくみると
しろいおはなの地模様があって 会場のひかりに透かしてみるととてもきれい。
とってもうつくしいのに タイトルはなぜだか 『野蛮』なのだった。

きょねん亡くなられた松本哲男さんの 『地から宙(グランド・キャニオン)』。
横幅8メートルもある おおきな おおきな 絵。
絵のまえに立つと 壮大なグランド・キャニオンに 吸い込まれてしまいそう。

佐藤時啓さんの 『光―呼吸 Utsunomiya #1』 という作品は
宇都宮美術館のひろいひろいお庭にある1本の樹をメインにした 写真の作品。
樹の幹のまわりには どのようにしてこしらえたものか
しろいひかりが たくさん ちりばめられていて
蛍みたいで うつくしいのだった。

∞ ∞ ∞ 

ミュージアムショップで ポストカードを 9枚 買い求めた。

『人生は戦いなり(黄金の騎士)』
『赤子(揺りかご)』
『アッター湖畔』
『哲学』
『医学』
『法学』
『ストックレー・フリーズ(下絵) 薔薇の茂み』
『ストックレー・フリーズ(下絵) 期待』
『ストックレー・フリーズ(下絵) 成熟(抱擁)』

Klimt
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