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バタフライナイフ

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2024/05/03 (Fri)

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2011/11/10 (Thu)

画家たちの二十歳の原点

足利市立美術館 『画家たちの二十歳の原点』 という展覧会。

展覧会のなまえは 高野悦子さんの『二十歳の原点』から。
なつかしい。高校時代の 愛読書だった。
石田徹也さんの作品が展示されていることもあって いそいそでかけた。

さまざまな画家の 20歳頃の作品。
若くして亡くなった方もあったし 長生きした方もあった。ご健在で絶賛活躍中の方もあった。

草間彌生さんは 若い時分から おそろしい絵を描くひとだったんだなあ。

お目当ての 石田徹也さんは 3作品を鑑賞した。
『燃料補給のような食事』 『飛べなくなった人』 『ビアガーデン発』。
『燃料補給のような食事』 『飛べなくなった人』 は 独特の
いちど観たらわすれない かなしい顔のおとこのひとたちが描かれていて
絵のまえで しばし 立ち尽くした。
あの無表情さが こころを捉えて はなさない。
『ビアガーデン発』は すこし作風がちがっていて
あかるい色調で うっすら笑っているおとこのひとたちが描かれているんだけれど
やっぱりどこか すこしさみしい。

日本画を学んだという桂ゆきさんの作品や
毒々しいかんじの高畑正さんの作品など
あたらしいおきにいりも ちらほらみつかった。

絵もすばらしかったが 傍らに添えられた言葉も いちいち良かった。
日記やら制作ノートやらに書かれた言葉も 紹介されているのだった。
青春時代の 感情の吐露には しばしば真実がある。

以下 こころに響いた言葉 めもめも。

『僕は何の役にも立たない。
僕は今、只今幸福を求める。』
『僕は天才でないかもしれない。それもいい。
僕はやりたい事の総てをなそうと努める。』
―(萬鐵五郎)

『かりの世のかりのいのちのふるまひやわがうたふ歌さびしかりけり』
―(田中恭吉)

『いのちを描くこと。
いまのおれ自身の生きざまを描くこと。
そして、ほんとうの命を生きること。』
―(高畑正)

『私はおそろしく無口な子供で、内心にあることの百分の一も言葉に出すことができなかった。
心の中の受信機は、いろんなものを、ガラクタのきれっぱしまでキャッチするが、さてこちらからなにか言葉を発信するとなると、なんにも出てこない。しゃべる才能が欠如していた。
だから次第に人間と話をするより、狐とか、木とか、虫とか、鳥とかその他の動物と話するほうが、めんどうくさくなくて、ぐあいがよくなった。』
―(桂ゆき)

『聖者のような芸術家に強くひかれる。
「一筆一筆置くたびに、世界が救われていく」と本気で信じたり、
「羊の頭の中に全人類の痛みをきく」ことのできる人たちのことだ。
自分が俗物だと思い知らされます。』
―(石田徹也)
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